離婚相談ブログ

2021.08.30更新

離婚・監護権について裁判所で争う際、重視される観点の1つに「継続性の原則」があります。

子は、誰に、どこで、どんな状況で監護されているか。

子の福祉のためには、子の監護状況は理由なく変更されるべきではない。

それが「継続性の原則」です。

有り体に言えば、現状維持優先ということです。

 

継続性の原則は、かつては今よりさらに重視されていたようです。

しかし、継続性の原則には重大な欠陥があります。

例えば、一方の親が無断で子を連れて別居した場合。

残された親が親権・監護権を争っても、その時点での「現状」では、子を監護しているのはもう一方の親です。

継続性の原則により、連れて出た方が勝ち、置いて行かれた方が負けてしまうのです。

これでは、裁判所が「連れ去り」を推奨しているようなものです。

 

そこで、「継続性の原則」は見直されることになりました。

具体的には、現在の監護状況がどのように確立されたかによって、継続性をどこまで重視するかを分けるようになりました。

別居に至る過程に問題がなければ、継続性が重視されるのは変わりません。

一方で、別居過程が違法なものだった場合には、継続性を重視しない。

そう場合分けすることで、不当な結果を回避するという考え方になりました。

 

正直なところ、以上の考え方がきちんと裁判所で実践されているとは言えません。

一方の親に無断で連れ去っても、よほどのことがない限り違法とは評価されません。

裁判所による連れ去りの推奨は続いてしまっています。

 

しかし、少なくとも「継続性の原則」には欠陥がある、ということは意識されるようになりました。

それは1つの前進だと思います。

2021.08.26更新

「我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、人権の擁護と男女平等の実現に向けた取組が行われている。

ところが、配偶者からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるにもかかわらず、被害者の救済が必ずしも十分に行われてこなかった。また、配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっている。

このような状況を改善し、人権の擁護と男女平等の実現を図るためには、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護するための施策を講ずることが必要である。このことは、女性に対する暴力を根絶しようと努めている国際社会における取組にも沿うものである。

ここに、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、この法律を制定する。」

 

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、通称「DV防止法」の前文です。

この文章を読んで、どう思いますか。

 

私は、

「配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり…」

という文言が入っていることに強い違和感を覚えます。

その基礎となる事実認識に同意できない、ということではありません。

男女の体力差や経済力格差を考えても、各種統計を見ても、配偶者からの暴力の被害者は女性の割合が多いであろう。

そのことには異論はありません。

 

しかし、そのことをわざわざ前文で謳う意図は何でしょうか。

 

「この法律において「被害者」とは、配偶者からの暴力を受けた者をいう。」(第1条2号)

ここには、被害者に男女の区別はありません。

男であろうと女であろうと対等な個人ですから、当たり前です。

しかし、前文と組み合わせると、そこに

「被害者は女性に限る」

というニュアンスが生じてしまっていないでしょうか。

 

配偶者からの暴力の被害者には、男性もいれば女性もいます。

個別の被害者にとって、統計上、男女どちらの被害者が多かろうと関係ありません。

被害者は被害者であり、等しく救済されるべきです。

 

ところが、肝心の法律の前文で、上記のようなことを言っている。

女性の被害者を優先して救済すべきである。

その裏返しは、男性の被害者は優先順位が低い、ということです。

そのようなことを前文でわざわざ謳う意味は何でしょうか。

この前文は、今すぐ削除されるべきです。

 

現に、DV防止法に基づく保護命令事件では、被害者が女性か男性かで扱いは大きく異なります。

そんなことはないと裁判所は言うかもしれません。

しかし、私を含め多くの弁護士や当事者がそう実感しています。

 

その扱いの違いを生んでいるのは、この前文ではないでしょうか。

我が国の法律の中に、このような性差別的としか言いようがない文章が含まれていることを、日本人として本当に残念に思います。

 

さらに付け加えると、配偶者間の暴力は、男女カップル間のみで発生するものではありません。

男性同士のカップル間でも当然発生します。

この前文は、男性同士のカップル間の暴力はについては無視します、と言っているに等しいです。

この文章は百害あって一利なしです。

 

 

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