離婚相談ブログ

2018.12.29更新

海外赴任中に、日本に残した配偶者と離婚したい。

でも、離婚に同意してくれないので、調停を申し立てたい。

そんなとき問題となるが、裁判所です。

 

離婚調停は、原則として、相手方の住所を管轄する家庭裁判所に申し立てないといけません。

要は、日本の裁判所に申し立てる必要があります。

 

調停が始まれば、およそ1月に一度、期日が入ります。

自分で調停を起こした場合、本人が出席しないといけませんので、1月に1度帰国しないといけません。

それは現実的ではないでしょう。

 

弁護士を代理人に立てた場合でも、原則として、第1回と、離婚がまとまる回は出席する必要があります。

ただ、それ以外の期日は代理人のみの出席で進めることは可能です。

 

海外在住の方が当事者の調停は、正直なところ、2人とも国内にいる場合よりも面倒なことが多いです。

調停の回数も増えがちです。

でも、代理人の工夫次第で、国内と同様に進めることも可能ではないかと思っています。

 

本当の問題は、夫婦2人とも海外にいる場合ですが、それはまた今度。

 

小杉

2018.12.28更新

「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生じる費用を負担する。」(民法第760条)

 

この条文を根拠として、別居した夫婦間に発生するのが「婚姻費用」です。

別居しているけど、まだ離婚していない場合に、収入の多い方が少ない方に対して払うことになります。

 

婚姻費用で大事なのは、「養育費より婚姻費用の方が高い」ということです。

養育費は、子どものいる夫婦について、離婚後に発生します。

養育費より婚姻費用の方が高いということは、「離婚すれば経済的負担が減る」ということです。

子どものいない夫婦ならなおさらです。

離婚するまでは婚姻費用を払わないといけないけど、離婚すればゼロ円です。

 

離婚に先立って、一方的に別居する方の大きな動機がこの「婚姻費用」です。

別居すれば、別居の理由に関係なく、婚姻費用を請求できる。

相手にしてみれば、離婚するまで何年だって婚姻費用を支払わないといけない。

離婚さえすれば、子どもがいても養育費は婚姻費用の方が安いし、子どもがいなければ支払いから完全に解放される。

じゃあ仕方ない、離婚しよう。

相手の気持ちを、そういう方向に持っていきやすいのです。

 

そういう制度になっていること自体を批判するつもりはありません。

でも、そもそも婚姻費用が養育費よりも高いのは「子どもだけでなく、配偶者の生活費も含まれるから」です。

一方的に、自分の意思で出ていった相手が、それでも出て行かれた相手から生活費を受け取れる。

そこに割り切れなさがあります。

 

別居に至る経緯を、婚姻費用の算定に反映する。

もしくは、そもそも養育費と婚姻費用の間にある傾斜をなくす。

そうすれば、この割り切れなさは減るはずです。

少なくとも、婚姻費用が、離婚に同意させたい相手に対する兵「兵糧攻め」の手段として使われている現状が健全だとは思いません。

 

小杉

 

2018.12.28更新

色々とセンシティヴな話なので、小声で言います。

 

母性優先の原則、という言葉があります。

裁判所が親権者を父母のどちらにするか判断する際、母親が優先されるということです。

以前も書いたとおり、母性優先の原則自体で親権者が決まることは多くありません。

母性が優先されることに根拠がないとも思いません。

 

ただ、その裏返しで、裁判所だけでなく社会的にも、「父性」が少し軽視されていないか、と感じることがあります。

自分の子どもだけなく、たくさんの子どもと接するようになって初めて知ったのは、子どもは、「母性」と同じく「父性」も切実に求めている、ということでした。

「父性」と言っても、「大人の男性が近くにいること」程度の意味です。

近くにいて自分のことを見てる、それだけのことを、子どもは確かに求めている。そんな場面を何度も経験しました。

 

父親に求められているのは経済力だけではない。

言葉にしてしまえば当たり前ですが、再認識しておきたいです。

 

ちょっと大げさに言ってしまえば、仕事で面会交流を扱う際の個人的なモチベーションはそこにあります。

 

小杉

2018.12.27更新

こんな記事がありました。

結婚にあたり、婚前契約を結ぶ夫婦が増えている、ということです。

 

婚前契約が物を言うとしたら、夫婦生活の日々のルールというより、離婚にあたっての財産分与の場面だと思います。

離婚にあたって、夫婦が築いた財産は、名義に関わらず夫婦の共有財産なので、2分の1に分ける。

これが原則です。

でも、たとえばどちらかが起業して成功した場合、企業の価値の半分は配偶者のものでしょうか?

そこに納得がいかなかったり、現実問題として払えるお金がなかったりということで、離婚の際に揉めるポイントになりがちです。

 

会社の成功にあたって、配偶者はどれだけ「内助の功」があったか。

裁判所ではそういう議論になることもありますが、正直、そのような議論が生産的だと考える人は多くないはずです。

 

婚前契約でどこまでが夫婦の共有財産となるかをあらかじめ決めておけば、そのような不毛な議論を避けることが出来るはずです。

ある程度以上の資産があったり、起業予定だったりする方だったら、婚前契約を結んでおく価値はあります。

 

リスクとしては、まだまだ日本ではなじみが薄いので、いざ争いになった際に、裁判所が婚前契約に沿った判断をしてくれるかが不透明、という点です。

特に、極端に常識から外れた内容の場合、公序良俗に反するといって、契約自体無効と判断される可能性もあります。

婚前契約を締結するなら、後で無効と主張されないよう、法律家の目を通しておくことを是非お勧めします。

 

2018.12.26更新

一方は、長期間別居しているから婚姻関係は破綻しているという。

もう一方は、別居ではなく単なる単身赴任だから、婚姻関係は破綻していないという。

 

離婚調停や訴訟でよくある場面です。

 

民法上は本来同居義務を負う夫婦が、実際には別に暮らしている。

そういう意味では、単身赴任は間違いなく「別居」です。

では、単身赴任していれば婚姻関係は破綻しているのかといえば、もちろんそうではない。

 

弁護士としての実感としては、一方は実質的な別居の手段として、もう一方は夫婦関係は上手くいってないけど体裁を保つ手段として、「単身赴任」という口実をそれぞれ別の目的で使う、という例が多い気がします。

じゃあ現実問題としてそういう夫婦関係が破綻しているのかといえば、それは場合によるとしか言えません。

 

ただ、単身赴任というのが、実質的に破綻した夫婦関係をごまかす言い訳として、あまりに便利に使われ過ぎている、とは感じます。

そもそも、婚姻破綻と言われてしまうくらい長い単身赴任生活、というのが不自然です。

現状は、単身赴任だったら別居ではない、という側に少し天秤が傾き過ぎている印象です。

 

小杉

2018.12.25更新

離婚の際には、夫婦の共有財産は名義にかかわらず2分の1に分けなければいけません。

持ち家、貯金、生命保険、車…こういった分かりやすい財産はあまり争いようがありません。

ここで問題にしたいのは、「退職金」です。

 

離婚の時点で退職したとして、仮に計算した退職金額は夫婦の共有財産として、財産分与の対象となる。

これが原則です。

ただ、退職が離婚よりずっと先なら、実際に退職金を受け取れるかは心もとないです。

そこで、大体、退職まで10年を切っていれば共有財産に含め、10年以上あれば含めないけどまあ配慮する。

裁判実務は大体そんな感じになっています。

 

でも、この判断基準、どこまで現実にあっているでしょうか。

退職金は「賃金の後払い」である。だから、勤務期間に応じて夫婦の共有財産となる。

これが裁判実務の理屈です。

でも、退職金が単なる「賃金の後払い」だというだけなら、後で払う理由はありません。

わざわざ後で払うのは、要は、会社としては退職まで辞めてほしくないからです。

退職まで、会社を信じてついてきてほしいからです。

退職まで会社を信じた従業員に対する報奨金。

退職金には、そういう性質があると思うのです。

 

一方で、離婚というのは、要はある人との結婚生活からの離脱です。

その人と生活を続けることの価値を信じられないから離脱する、ということです。

そのこと自体は問題ありません。

違和感があるのは、結婚生活からは離脱するのに、その期間に相当する退職金は共有財産になる、という点です。

 

仮にその時点で退職したら、という前提で計算した金額は、あくまで仮の金額です。

実際には辞めないからです。

自分は結婚生活からは離脱するのに、相手が会社勤めからは離脱しないことを前提とした資産について分与を求める。

そこに、退職金を財産分与に含めることの飲み込みにくさがあります。

 

ここまで書きましたが、退職金を財産分与に含めるな、と主張したいわけではありません。

ただ、現行の10年をめどにした判断基準はちょっと長すぎると感じます。

公務員や、公務員に準じるような公共的な大企業以外にはあてはまらないのではないでしょうか。

もう少し柔軟に、かつ「会社勤め」ということの実態にあった、個別の判断が必要だと思います。

 

小杉

 

2018.12.24更新

「甲は、乙が、月1回程度、甲乙の子丙と面会交流することを許す。」

 

離婚調停などで、裁判所が作成する離婚に関する調書は、合意内容ごとにほぼ文言まで決まっています。

財産分与、養育費、親権者など、各条項ごとに、空欄に固有名詞を埋めていくように完成していきます。

 

その定型文の中で、毎回、違和感を覚えるのが面会交流です。

だいたい冒頭に挙げたような文章なのですが、なぜ、監護親に、子との面会交流を許されないといけないのでしょうか。

そもそも、面会交流は「許す」性質のものなのでしょうか。

 

裁判所は、面会交流に消極的な親の意識を変えようと意識的です。

最近では、当事者双方に面会交流の大切さを訴えるビデオを見せたりもしています。

だからこそ、まるで面会交流をするかどうかは監護親が決めること、と言わんばかりの言葉遣いは変えてほしいと思っています。

 

弁護士 小杉

2018.12.21更新

弁護士という仕事をしていると、平均よりはだいぶ多い数の「離婚」を見ることになります。

見るだけでなく、代理人として中に入って深く関わることも多いので、つい、人よりは離婚について知っているつもりになることがあります。

 

でも、弁護士が仕事で知っている離婚は、離婚全体のごく一部に過ぎません。

しかも、相当偏りのある一部です。

簡単に言えば、こじれ、もつれ、対立している方向に偏っています。

仕事を離れた知人から相談を受けることもありますが、それだって「知り合いに弁護士がいるから相談してみよう」と思うような件なので、やっぱり偏っています。

 

世の中には、円満に離婚している方々はたくさんいます。

保育園に交互に迎えにくるし、行事には家族全員で参加するので、何年も離婚していることを知らなかった方もいました。

色々あっても復縁している方たちだってたくさんいます。

 

弁護士のところに相談に来られた方の中にだって、そういう形で、円満に離婚できる方がいるかもしれません。

正直に言ってしまえば、今のところ、仕事で扱った中にそういう依頼者の方はいません。

でも、そういう可能性はいつだって開かれている。

公正証書や調停や裁判だけが出口じゃない。

そのことはこれからも忘れないようにしたいです。

 

2018.12.20更新

「夫からDVを受けた」

「精神的DVを受ける」

そんな相談を受けることがあります。

逆の立場で、「『DVを振るった』と訴えられた」という相談を受けることはもっと多いです。

 

そのたびに必ず言うのが、「『DV』という行為は存在しない」ということです。

DVなんて存在しない、という意味ではありません。

 

「殴られた」

「蹴られた」

「暴言を吐かれた」

そういった具体的な行為が、DVに該当する。

DVという言葉は、そういうふうに使います。

先に具体的な行為があって、それを評価するときの言葉だ、ということです。

「DVを受けた」では何も言っていないのに等しいのです。

なのに、言葉としてあまりに便利だからか、あたかも「DV」という行為が存在するかのような使われ方をされていることがよく目につきます。

 

当たり前のことに聞こえるかもしれません。

でも、「DV]という言葉の独り歩きの弊害を感じる機会は少なくありません。

そういうときは、「具体的にどういう行為ですか」と聞くようにしています。

 

妻がDVシェルターに逃げ込んだ、という相談を受けたことがあります。

DVと言われて何か思い当たる行為はありますか、と聞いたところ、全部で3回だけ、子に手を上げたことがあると言われました。

離婚調停の場で、相手方に、「DVがあったと主張しますが、具体的な行為は何ですか」と聞いたところ、事前に聞いていたのと同じ3回の行為だけが出てきました。

3回とも、どれも、とても「DV」と評価されるような行為ではありませんでした。

結果的に、離婚という結論は変わりませんでしたが、「DV]の主張は認められませんでした。

 

要は、大事なのは具体的な行為だということです。

「DV]という言葉の便利さに逃げ込むような主張に対しては、弁護士として一線を画していきたいです。

 

弁護士 小杉

 

2018.12.19更新

離婚後に養育費を支払っている親は全体の2割しかいない、とよく言われます。

その元になっているのは、厚労省によるこんな統計です。

 

確かに、平成28年時点でも、離婚後の家庭のおよそ2割程度しか養育費を受け取っていない実態が分かります。

でも、この統計で本当に大事なのはそこでしょうか。

よく読むと、そもそも離婚時に養育費の取り決めを書面で交わしている家庭自体が4割強しかないことが分かります。

そもそも養育費の取り決めもしていないのに、養育費が払われる理由がありません。

 

養育費の回収率を上げるより前に、まず、養育費の取り決めがされる割合を上げる方が先決です。

そして、こちらはかなり確実な方法があります。

 

日本の離婚の大部分は、当事者同士で離婚届を提出するだけの、いわゆる協議離婚です。

そもそも、そんな簡単に離婚できる制度自体が決して一般的ではなく、世界的に見れば、裁判所が関与しなければ離婚できない国は珍しくありません。

 

役所が離婚届を受け付ける際に、養育費の書面での取り決めを義務化すれば、養育費の取り決めなしでの離婚を防げます。

もちろん、取り決めの内容はきちんとチェックされなければいけないので、制度の変革も、人手の増員も、予算も必要でしょう。

でも、子の福祉のために養育費支払いの確保が必要だというなら、養育費を支払わない親を悪者にする前に、やれることがあるはずです。

 

最高裁は、現行の算定表だと養育費が低すぎるとして、見直す方針だそうです。

最高裁が算定表見直し

結構なことです。

しかし、そんなことより先にやるべき制度変革はあるはずです。

そちらに手を付けずに、算定表の見直しの方から手を付けることに、正直言って違和感を覚えます。

職員に命令して算定表を見直すだけなら、大して予算も要らないし、裁判所が責任負うこともない。

そう考えても、別にうがち過ぎだとは思いません。

 

弁護士 小杉

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