離婚相談ブログ

2022.06.18更新

離婚に先立ち、当事者同士が別居した場合、婚姻費用分担請求権が発生します。

おおまかにいえば、収入の多い方から少ない方へ、収入と家族構成に応じた費用支払義務が発生します。

婚姻費用の金額は、直近の収入を基礎として計算します。

 

では、別居時点では収入があったが、その後、無収入となった場合はどうでしょうか。

直近まで収入があったのですから、潜在的には今でも稼得能力はあるのではないか?

婚姻費用を免れるためにわざと無収入となったのでは?

そういう疑問を持つ人もいるでしょう。

 

裁判所でも、「潜在的稼働能力」という言葉が持ち出されることが多くあります。

その時点では稼いでいなくても、潜在的には稼ぐ能力はある。

だから、一定程度の収入があるものとして扱う。

婚姻費用分担義務も課す。

そういう論理です。

 

理屈は分かります。

しかし、この論理はやはり支払う側、義務者にとって酷だと思います。

 

そもそも、婚姻費用自体、義務者にとって時に非常に酷です。

よそに恋人を作って出ていった。

家族を顧みず遊び歩いている。

そういう場合は、婚姻費用請求が認められるべきです。

しかし、大多数の場合、婚姻関係が破綻したことにつき、どちらかが一方的に悪いとは言えません。

出ていった側に対し、残された側が生活費を支払い続けるのは精神的に辛いことです。

ましてや、世の大多数の労働者は家族のために働いているのです。

その家族がいなくなったのに、なおも送金のために働き続ける。

人間の自然な生理に反すると言わざるを得ません。

 

昨年、「潜在的稼働能力」があるとして家裁では婚姻費用支払義務が認められたが、高裁で取り消された裁判例がありました。

公刊物によれば、義務者の方は別居時は働いていましたが、自殺の恐れがあるとして警察に保護されて実家に戻り、以後は就労していなかったようです。

公開されている情報だけでは、何があったかはもちろん分かりません。

しかし、家族が出ていき、自殺の恐れがあるとして実家に戻ることになり、以後働けていない方に対し、潜在的稼働能力があるとして婚姻費用支払義務を課すのは非現実的に思えます。

 

重要なのは、そもそも婚姻費用というもの自体が酷である、ということです。

この件はその過酷さが、「潜在的稼働能力」という切り口から分かりやすく露出したに過ぎないように思います。

婚姻費用支払義務を免れる目的で、収入を隠している。

算定の基準となるタイミングだけ、形式的に無収入となった。

上記のような悪質な件を除き、安易に潜在的稼働能力を認めるのには反対です。

 

 

 

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