離婚相談ブログ

2022.03.01更新

「家庭裁判所は、親権者の指定又は変更の審判をする場合には(中略)子(十五歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。」

 

家事事件手続法169条2項にはこのように定められています。

子のいる離婚では、裁判所は父母どちらかを親権者に指定しなければいけません。

子が15歳以上の場合、裁判所は親権者指定に際し、子の意見を聴取する義務があります。

裁判所は、15歳以上の子の意見をとても重視します。

よほどのことがない限り、子の意見通りの結論が出されます。

 

では、子が14歳以下の場合は意見は聴取されないのかといえば、そうではありません。

 

「家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見に関する家事審判その他未成年者である子(中略)がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法により、子の意思を把握するように努め、審判をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない。」

 

同じ法律の65条にはこのように定められています。

年齢に関わらず、裁判所には「子の意志を把握するように努め」る努力義務があるのです。

ただし、その方法は15歳以上とは異なります。

「子の陳述の聴取」だけでなく、「家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法」による、とされています。

家庭裁判所の調査官による調査に委ねられており、何が適切な方法かは調査官が判断します。

 

小さい子は未成熟で、自分の意見を言葉に出来るとは限りません。

立場も弱く、周囲の大人の影響も受けやすい。

判断能力も未発達です。

もっとも重要なのは、子どもには責任を負わせるべきではない、ということです。

 

だからといって、大人が勝手に決めてよいわけではない。

何が子の福祉に適うのか判断するためにも、子の意思を把握するよう努力する義務がある、ということです。

 

「お母さんとお父さん、どっちと暮らしたい?」

というようなストレートな質問は通常されません。

もっと気を使った、子の福祉に配慮した聞き方などがなされているようです。

 

しかし、子にとって大きな精神的負担であることは変わりません。

子が泣き出してしまった例などを多数知っています。

もちろん、大人の責務として子の意思の把握には務めるべきです。

一方で、このような質問が不可避であり、子にとって大きな負担になっているのは、それが極めて重大な決断に直結しているからです。

本邦では、離婚に際し、どちらか一方のみを親権者と指定しなければなりません。

間を取った結論、中庸な結論は初めから選択肢にありません。

 

子に大きな決断の負担を強いるという点でも、現行の離婚後一律単独親権制度は非常に問題です。

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